4つのDORAを比較する

「新しいタイプの睡眠薬」である「オレキシン受容体拮抗薬」は、現在、日本では4つの薬が販売されています。

発売時期の古い順に、「ベルソムラ」「デエビゴ」「クービビック」、そして2025年8月に承認されたばかりの最新の薬「ボルズィ」の4つです。

睡眠薬の話に入る前に、まず「オレキシン」という物質について、簡単に説明します。オレキシンは、1998年に発見された「脳の中の物質」です。

役割を一言で言うと、「脳を目覚めさせる、覚醒のスイッチ」です。私たちの脳の中には、このオレキシンを受け取る「受容体(じゅようたい)」という受け皿があります。

受容体(じゅようたい)にオレキシンがカチッとはまることで、私たちは起きている状態を保つことができます。

このオレキシンがうまく作れなくなると、日中に突然、強烈な眠気に襲われる「ナルコレプシー」という病気になることが分かっています。

この発見がきっかけで、「じゃあ、このオレキシンの働きをブロックすれば、自然に眠れる薬ができるのではないか」と研究が進み、作られたのが現在販売されている4つの薬です。

ちなみに、昔からよく使われてきた「ベンゾジアゼピン系」や、それに近い「Z薬(ゼットやく)」と呼ばれる睡眠薬は、仕組みがまったく異なります。

これらの薬は、脳全体の活動を無理やり引き下げることで、頭を強制終了させて眠らせるイメージです。

それに対して、今回の新しい薬は、「起きているためのスイッチをそっとオフにする」という、とても自然なアプローチで眠りをサポートしてくれます。

2026年7月19日 | カテゴリー : 医療 | 投稿者 : wpmaster