スキーマ セラピー

ヤングのスキーマセラピーについて概観します。

スキーマとは、その人の心の奥底にある、核となる中心的な思考 ・考え方です。自分自身や自分の周りの世界を見る時の、もっとも根本的な考え方とも言えます。

(例えば、ネグレクトされて育った子どもが、自分は愛されていないと考えることがあるとすれば、その子どもの底辺に潜む思考過程、思考の枠組みがスキーマという言葉で表現され得ます。)

スキーマセラピーは、主としてパーソナリティ障害の治療に用いられますが、他の精神障害にも有効です。

スキーマセラピーでは、既存の療法(認知行動療法_CBT、対象関係(注1)、愛着理論、ゲシュタルト療法、サイコドラマなど)の理論や治療技法を組み合わせて用いますが、

 ・認知、感情、行動における早期自己破壊的パターン
 ・補償過剰、回避、降伏といった不適合な対処方法
 ・スキーマモード

などのスキーマ概念の精緻な構成が中心を占めます。スキーマモードには 子どもモード、機能低下した対処モード、機能低下した親モード、健康成人モード などがあります。

不適応は、結合・相互依存・互恵・フロー・自律などの基本的な感情要求が小児期に満たされないと生じると考えられているからです。

スキーマセラピーでは、機能不全に陥ったモードを認識することからはじめ、健康成人モードにガイドされて行動できるようになることを目標とします。

これを達成するために、様々なテクニックが用いられます。標準的な認知療法、スキーマ日誌、フラッシュカード、ガイドイメージ、チェア・テクニックなどです。

一般的なスキーマモード
スキーマモードには4つのタイプがあります。

子どもモード(Child modes)
不適応対処モード(Maladaptive Coping modes)
機能低下した親モード(Dysfunctional Parent modes)
健康成人モード(Healthy Adult mode)

です。

例えば、境界例や自己愛例では、モードは切断的で持続性が無く、一度に1つのモードを経験します。

境界例ではモード変化は急速で、自己愛例では変化はあまり起こりません。また、強迫性では1つのモードに固定されます。

子どもモード(Child Modes)
子どもモードは生得的なもので、人類の先天的な感情表現です。
小児期の環境が、子どもモードを強めたり弱めたりしますが、人類はすべからく以下の4つの子どもモードを表現する事ができます。

傷つきやすい子ども(Vulnerable Child)
不機嫌で不安な感情、特に「恐怖」「悲しみ」「無力」を表現します。
関連するスキーマ:見捨てられ、不信/虐待、情緒剥奪、欠陥、社会的孤立、依存/無力、危害や病気に対する脆弱性、巻き込まれ/自我の未発達、否定的/悲観的

怒れる子ども(Angry Child)
中核的な要求が満たされないと感じる時、また、中核的スキーマに関して不公平な扱いを受けたと感じる時に、怒りを直接的に放出します。
関連するスキーマ:見捨てられ、不信/虐待、情緒剥奪、征服

衝動的/躾けられていない子ども(Impulsive/Undisciplined Child)
限界や他者の要求・気持ちを顧みること無く、即時的欲望に従って衝動的に行動します。
関連するスキーマ:権利、不十分な自己コントロール/自己規律

幸せな子ども(Happy Child)
愛されている、結合している、満足している、満たされていると感じる
関連するスキーマ:活性化されたスキーマは無い

不適応対処モード(Maladaptive Coping modes)

従順な全面委任( Compliant Surrenderer )
言いなりで依存的な対処スタイルを用います

接触なき防御( Detached Protector )
感情的引きこもり、接触の遮断、孤立、回避行動などの対処スタイルを用います

過剰な補償( Overcompensator )
反撃と支配の対処法を用います。

機能不全な親モード( Dysfunctional Parent Modes )

懲罰的/批判的な親( Punitive/CriticalParent )

要求の多い親( Demanding Parent )

健康な大人モード( The Healthy Adult Mode )


(注1)対象関係


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