自律神経失調症という言葉が習慣的によく使われますが、人によってイメージする内容が様々です。今回は日本臨床内科医会が編集したパンフレットから一部抜粋して引用し、その曖昧な部分を少し明確にしたいと思います。
以下抜粋しての引用です。
とても分かりやすく、よくできたパンフレットだと思います。
さて、現在わが国で自律神経失調症という病名で使える薬(保険適応のある薬)には以下の18種類があります。
これらのうち(抗けいれん、鎮静、筋弛緩、運動技能悪化、健忘などの作用を殆ど有さないという点で)、他のベンゾジアゼピン系薬とは違うグランダキシンについて少し詳しく見てみます。
構造式は以下の通りで、2,3-ベンゾジアゼピン系化合物です。
医薬品 IFによれば、自律神経系の高位中枢(視床下部)に作用して、交感及び副交感神経間の緊張不均衡を改善・是正し、末梢では自律神経系の過度の興奮を抑制するとされています。
服用後1時間で血中濃度が最高値となり、12時間で体内から消失。半減期は47分です。
改善効果が期待できる自律神経症状には、頭痛・頭重、劵怠感、心悸亢進などがあります。
代謝はCYP3A4です。また、CYP3A4の代謝を阻害してCYP3A4で代謝される薬物の血中濃度を上昇させる可能性があります。
グランダキシンは日本及び欧州の一部でのみ使われており、アメリカ・カナダでは販売されていません。