不安の治療

どんな人であっても、就職面接の前や会議の発表で、幾ばくかの不安感を持つでしょう。これは異常なことではなく、了解可能な一般人の正常な反応です。

しかしこの不安が、了解可能な範囲を超えて、制御不能な程度に広がりを持つ場合には問題となります。

不安の起こりやすさには、遺伝的な因子が関係していることは疑う余地がありませんが、社会生活上のトラウマ経験やストレスもまた、不安の発生に重要な役割を果たします。

不安治療のガイドラインとしては、英国NICEの段階的ケアのガイドラインが有名です。 (NICE-Stepped care approach)

このガイドラインのステップ3で薬物療法による介入が示されていますので、以下に簡略して紹介します。

また非常にポピュラーな医学書であるCMDTでは、以下のような治療が示されています。

また最近、ランセット誌に全般性不安障害に対する薬剤の有効性を比較した論文が出ました。

プレガバリン(リリカ)を不安に用いることに、(その高い薬価に見合うだけの有効性があるのかという点において)やや違和感はありますが、実臨床における知識としては有用であろうと思います。

論文で取り上げられた薬剤の有効性を、本邦で発売されている薬剤に絞って表にまとめてみました。参考にしてください。有効性の高い順に並べてあります。

2019年7月5日 | カテゴリー : 不安障害 | 投稿者 : wpmaster