ベンゾの長期使用がよくない理由

デパス(エチゾラム)、ソラナックス(アルプラゾラム)、ワイパックス(ロラゼパム)などのベンゾジアゼピン受容体作動薬は、基本的には短期の使用が原則です。

諸外国のガイドラインや添付文書では、ベンゾの継続使用は4週間を超えないようにという推奨がなされています。

このような推奨にもかかわらず、ベンゾが不適切に継続使用される場合が少なくありません。

米国FDAは2020年9月23日、すべてのベンゾジアゼピン薬について枠囲み警告を更新するよう、製薬会社に要求しました。乱用、精神依存、身体依存、離脱症状などの深刻で重大なリスクに対応するためです。

ベンゾに対する規制が厳しい米国でも、現実にはベンゾジアゼピンは広く処方され、広く乱用され、広く誤用されていて、長期にわたって使用されていることが多いと報告されています。

(参考)FDA requiring Boxed Warning updated to improve safe use of benzodiazepine drug class
(参考)FDAの枠囲み警告
 

うつ病では、抗うつ薬にベンゾを併用すると、うつ状態の悪化や機能低下をもたらす可能性が示唆されています。

また不安障害においても、ベンゾの併用が治療結果を悪くする可能性があります。

ベンゾを慢性的に使用することで、ギャバ神経系やモノアミン作動性神経系の機能低下を引き起こすこと、さらには神経新生を阻害することが、これらの原因として考えられています。

(参考)Understanding the effects of chronic benzodiazepine use in depression: a focus on neuropharmacology

2022年1月23日 | カテゴリー : | 投稿者 : wpmaster