複雑性PTSDについて

米国精神医学会の診断基準集であるDSMの第3版(DSM-III)に初めてPTSDが登場して以来、多くの研究・調査・臨床経験が積み重ねられ、PTSDに関連する症状は複雑で広範囲なものとなっています。

これらの新しく得られた知見をその後の診断基準にどのように取り込むかという点について、最新の診断基準集であるDSM-5とICD-11では異なるアプローチが取られました。

DSM-5では、PTSDのより複雑な症状に対応するために、PTSDの診断基準を拡大しました。

一方、ICD-11では、PTSDの診断基準を3つの症状群の6つの症状に制限するとともに、複雑性PTSD(CPTSD)という診断名を追加しました。

今回は、このように複雑になったPTSDに関連する症状と診断について、これら2つの診断基準集には採用されなかった診断を含めて概観してみます。

破局的体験後の持続的パーソナリティ変化:EPCACE」
複雑性PTSD:CPTSD」
発達性トラウマ障害:DTD」
特定不能の極度のストレス障害:DESNOS」

 

破局的体験後の持続的パーソナリティ変化(EPCACE:ICD-10コードF62.0)
EPCACE(Enduring Personality Change After Catastrophic Experience)

ICD-10には、現在の複雑性PTSDに繋がる「破局的体験後の持続的パーソナリティ変化」という診断があります。

(ICD-10:WHOの国際疾病分類第10版、1990年)

この診断は、「強制収容所症候群」に由来するものでしたが、ICD-10ではより一般化されたものとして定式化されました。

以下のように記載されています。

「それ以前にパーソナリティ障害のない人に,破局的なあるいは過度に持続するストレスに続いて、あるいは重症の精神科的疾患に続いて、発展した成人期のパーソナリティと行動の障害を包含する。」

「この診断は、ある人物の環境と自分自身に閧する感じ方、関係の仕方、あるいは考え方のパターンに、明確で持続的な変化があるという証拠を認めたときにのみくだすべきである。」

「パーソナリティ変化は顕著で、柔軟性のない不適応な行動と結びついており、病因となる体験の前には認められなかったものである。」

「このような持続性のパーソナリティ変化は、たいてい破滅的なトラウマ体験に続いて認められるか、また重症の、反復するあるいは遷延する精神障害の結果、発展することもある。」

「持続的パーソナリティ変化は、病因論的に深い、実存的な極限体験にまでさかのぼりうる、永続的で異なった存在様式を表す場合のみ、診断すべきである。」

また、ICD-10の診断ガイドラインは以下の通りです。

「このパーソナリティ変化は持続的であり、柔軟性を欠く適応障害の特徴を示し、対人的、社会的、および職業的な機能の障害にいたるものでなければならない。」

「通常、パーソナリティ変化は鍵となる情報提供者によって確認されなければならない。」

「診断するためには、以前にはみられなかった、以下のようなパーソナリティ特徴の存在を確かめることが不可欠である。

(a)世間に対する敵対的なあるいは疑い深い態度.
(b)社会的な引きこもり.
(c)空虚感あるいは無力感.
(d)あたかも絶えず脅かされているような、「危機に瀕している」という慢性的な感情.
(e)よそよそしさ.

「このパーソナリティ変化は少なくとも2年間存在していなければならず,それ以前のパーソナリティ障害、あるいは心的外傷後ストレス障害以外の精神障害に起因するものであってはならない(F43.1)。」

上に示した診断ガイドラインには、(a)世界に対する敵対的または不信的な態度、(b)社会的引きこもり、(c)空虚感や絶望感、(d)常に脅かされているかのような『ハラハラする』慢性的な感覚、(e)疎外感という重要な属性が示されています。

これに加えて、現場の臨床家からは、EPCACEの重要な特徴として「身体化、自傷行為、性的機能障害、永続的な罪悪感」が指摘されています。

また、EPCACEと、うつ病や境界性パーソナリティ障害の間に、症状の重複があると指摘される場合があります。

しかし、EPCACEでは人格の安定した変化が特徴であるのに対し、うつ病や境界性パーソナリティ障害では気分や感情の不安定さが特徴的です。

EPCACEは、パーソナリティ障害とトラウマ関連障害の橋渡しをする統合的な診断で、患者に対する統合的なアプローチ行う能力を臨床家に提供します。それ故、次期DSMに採用されるべき診断名であると訴える研究者達が存在します。

 

複雑性PTSD(Complex Posttraumatic Stress Disorder: CPTSD)

複雑性PTSDは、ICD-11 に登場した新しい診断名です。幼少期の虐待や拷問など、長期にわたる反復的なトラウマ体験をした成人、青年、子どもに適用されます。

複雑性PTSDについて、ICD-11とDSM-5は異なった対応を取りました。

DSM-5のPTSDワークグループは、複雑性PTSDに関する文献を検討し、エビデンスと妥当性の欠如を理由に、複雑性PTSDを独立した診断として含めないことを決定しました。

そして、自己組織化の乱れ(DSO)に関する症状の多くは、PTSDのより広い診断基準に組み込まれました。

つまり、DSM-5では(複雑性PTSDで見られるような)PTSDの複雑な症状に対応するために、PTSDの診断基準を拡大したのです。また「解離症状を伴う」サブタイプを特定するという追加も行っています。

DSM-5とは逆に、ICD-11ではPTSDの診断基準を6つの潜在的な症状に制限し、複雑性PTSDという診断名を追加しました。

新しく追加された複雑性PTSDの診断は、慢性的・反復的な対人関係のトラウマや虐待が、従来定義されていたPTSDの限界を超えて、精神的な健康に幅広い影響を与えるという、長年の懸念に対応するものです。

ICD-11における複雑性PTSDの診断は、6つの症状クラスターから構成されています。 つまり、PTSDの3つの基準(「トラウマの再体験」、「トラウマ想起の回避」、「過敏(脅威感の増大や驚愕反応)」)と、3つの自己組織化の障害(「情動調節障害」、「対人関係障害」、「否定的自己概念」)の症状です。

複雑性PTSDの診断には、PTSDの診断基準がすべて満たされていることに加え、DSOの3つの症状群からそれぞれ少なくとも1つの症状があり、さらに、機能障害を伴っていることが必要となります。

最近、複雑性PTSDの心理測定評価尺度(International Trauma Questionnaire)が開発され、検証されています。下に図で示します。Pの質問はPTSD、Cの質問はCPTSDに対応します。

ICD-11での診断は1つのみとなります(PTSDまたは複雑性PTSD)。複雑性PTSDの診断基準を満たしている場合は、PTSDの診断に優先して複雑性PTSが診断されます。

 

参考・・国際トラウマ質問票

 

境界性パーソナリティ障害(BPD)と複雑性PTSDの違い

ICD-11で定義されている複雑性PTSDの症状は、DSM-5で定義されているPTSDおよび境界性パーソナリティ障害(BPD)と大きく重複しています。

境界性パーソナリティ障害(BPD)は、自己組織化の障害(DSO)の症状と類似した特徴を持ちます。また、PTSDと関連することも多いため、境界性パーソナリティ障害と複雑性PTSDの区別が議論されます。

結論から言えば、境界性パーソナリティ障害の症状は複雑性PTSDの症状と大きく重なるものの、境界性パーソナリティ障害と複雑性PTSDとは別のものであるという考え方が現在では支持されています。

つまり、感情の調節が出来ないという症状については重複していますが、それ以外の(複雑性PTSDの)診断要件については、境界性パーソナリティ障害とは明らかに異なるいくつかの特徴が含まれているからです。

境界性パーソナリティ障害の典型的な特徴として、他者に対する理想的な認識と否定的な認識の間を行き来する、感情的に激しく不安定な人間関係があります。

また、非常に肯定的な自己評価と否定的な自己評価の間を行き来する不安定な自己意識があります。

対照的に、複雑性PTSDでは、人間関係が困難で避けた方がよいと認識し、極めて消極的ではあるが安定した自己意識を持っています。

さらに、複雑性PTSDの診断には、トラウマとなるような出来事を含むトラウマ特有のPTSD症状の存在が必要ですが、境界性パーソナリティ障害にはそれがありません。

また、自殺未遂やその他の自傷行為は境界性パーソナリティ障害の診断基準に含まれていますが、複雑性PTSDの診断基準には含まれていません。

 

発達性トラウマ障害(DTD、Developmental Trauma Disorder)

オランダ・ハーグ出身の米国精神科医ヴァン デア コークが提唱した概念です。(van der Kolk, 2005)

小児精神科医であったコークは、子どもが発達的に有害な複数または長期間の対人的トラウマを受けた場合には、その精神病理に変化を引き起こし、機能障害をもたらすと考えました。

コークは、「小児期のトラウマとPTSDの違い(How Childhood Trauma is Different from PTSD)」の中で、幼少期のトラウマが人に与える影響は、大人のPTSDに見られるものとは異なっていると説明しています。

幼少期のトラウマは子どもの脳を変化させ、人の成長に影響を与え、大人になってから薬物やアルコールの使用、摂食障害、自傷行為などに陥りやすいものに変化させると、コークは言います。

複数のトラウマを経験した子どもの多くは、重度の内向的および外向的問題(内在化障害、外在化障害)を抱えるようになり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)だけでなく、複数の精神疾患のリスクを持つようになります。

発達性トラウマ障害(DTD)とPTSDはともに身体的暴力・虐待、家庭内暴力、感情的虐待、ネグレクト、養育者の障害と関連していますが、これらのうち、発達性トラウマ障害では特に、対人(家族や地域)暴力および主たる養育者の障害との関連が強いことがわかっています。

そのため、発達性トラウマ障害の診断基準では、外傷性暴力への曝露歴と主な養育者の障害が必要とされています。(基準A)

さらに、情動と身体の調節障害症状が3つ(基準B)、認知および行動の調節障害症状が2つ(基準C)、自己および関係性の調節障害症状が2つ(基準D)必要とされています。

発達性トラウマ障害の基準を満たす子どもたちは、何らかの精神疾患のスクリーニングで陽性となる可能性が他の子どもたちに比べて約2~4倍高いとされます。

PTSDもまた、多くの精神疾患と関連することが報告されています。しかし、発達性トラウマ障害とは違ってPTSDでは、すべての外在化障害(ADHD、反抗挑戦性障害、素行障害)およびパニック障害とは無関係であることが報告されています。

このように、トラウマへの曝露は多くの小児精神疾患の先行要因であることが明らかにされていますので、PTSDや発達性トラウマ障害以外の障害を指摘された子どもや青年の診療に際しては、トラウマ歴の潜在的な影響を考慮することがとても重要です。

 

情動調節の障害について

情動調節の障害は、成人の複雑性PTSD(自己組織化障害)、小児のPTSDおよび発達性トラウマ障害の中心的な特徴です。

発達段階で対人関係のトラウマを経験した子どもや大人は、一貫して情動調節に大きな問題を抱えています。

情動調節障害は、若年層においては特別な役割を果たしています。例えば、性的トラウマを受けた少女達では、情動調節障害がその後のさらなるトラウマ曝露と関連しており、トラウマへの繰り返しの曝露が情動調節障害につながるというこれまでの知見や、情動調節障害がさらなる曝露につながる可能性があるという推測と一致しています。

情動制御障害は、PTSDにおける以上に発達性トラウマ障害(DTD)に顕著であり、小児期の虐待歴と成人の自己組織化障害(DSO)の症状をつなぐものであることが示されています。

 

発達性トラウマ障害の診断基準
基準A
以下の2つのタイプの発達性トラウマに、人生の同時期に曝露されていること

A1: 対人関係の被害者:身体的または性的な暴行や虐待の被害者または目撃者。あるいは、家庭内の/成人の、親密なパートナー暴力の目撃者。

A2: 主たる養育者の愛着の崩壊:主な養育者との長期にわたる離別、ネグレクト、言語的・感情的な虐待。

基準B
(現在の情動または身体的調節障害、4項目。 診断には3つの症状が必要です。)

B1: 情動調節障害(B1.a.極端にネガティブな感情の状態;またはB1.b.ネガティブな感情状態からの回復力の低下。以上のいずれか。)

B2: 身体調節障害(B2.a. 触れることを嫌う;またはB2.b. 音に対する嫌悪感;またはB2.c. 医学的に説明/解決できない身体的苦痛/不調。以上のいずれか。)

B3: 感情や身体的感覚へのアクセス障害(B3.a. 感情の欠如;またはB3.b. 医学的に説明/解決できない身体麻痺。以上のいずれか。)

B4: 感情または身体表現の障害(B4.a. アレキシサイミア(失感情症); またはB4.b. 身体の感覚・状態を認識・表現する能力の低下。以上のいずれか。)

基準C
(現在の注意力または行動の調節障害、5項目。 2つの症状が必要です。)

C1: 脅威に対する注意の偏り(C1.a. 脅威について繰り返し何度も考える; またはC1.b. 現実の、もしくは潜在的な危険に対する警戒心の強さ、または弱さ。以上のいずれか。)
C2: 自己防衛機能の低下(C2.a. 極端なリスクテイクや無謀な行動;または、C2.b. 意図的に紛争や暴力を誘発する。以上のいずれか。)

C3: 不適応な自己鎮静

C4: 自殺を意図しない自傷行為

C5: 目標達成のための行動を開始または継続する能力の低下

基準D
(現在の関係性または自己調整能力、6項目。 2つの症状が必要です。)

D1: 取り返しのつかないほどのダメージを受けた自分、欠陥のある自分などといった自己嫌悪。

D2: 愛着の不安と混乱(D2.a. 親のように過保護になってしまう; またはD2.b. 主な養育者から離れた後の再会に対する耐性の低下)

D3: 裏切りを基本とした関係性のスキーマ(D3.a. 裏切られるのではないかという予感; またはD3.b. 反抗挑戦を基本とした強制や搾取の予感。以上のいずれか。)

D4: 反応性の、言語によるまたは身体的な攻撃(主に危害/傷害の防止/対応を動機とする積極的な手段による攻撃を含む。)

D5: 心理的境界線の障害(D.5a 個人の境界の無差別な拡散; またはD5.b. 安心感への渇望。以上のいずれか。)

D6: 対人共感能力の低下(D6.a.他人の苦痛に対する共感を欠いている、また不寛容である; またはD6.b. 他人の苦悩に過剰に反応する。以上のいずれか。)

 

特定不能の極度のストレス障害
DESNOS(Disorders of Extreme Stress Not Otherwise Specified)

DESNOSもまたEPCACE同様、複雑性PTSDに繋がる歴史的な概念です。

PTSDに関する多くの研究から、DSM-Ⅲに示されたPTSDの診断基準は、長期にわたる複数のトラウマにさらされた人達の精神病理を、完全には表していないことが明らかになってきました。

PTSDの診断基準を確立するために最初に調査された米国の疫学調査によると、男性は、事故、戦争、暴行、自然災害によるトラウマが多いのに対し、女性のトラウマの原因は圧倒的に幼少期の虐待が多いことがわかりました。

また、一般女性の17~33%が、性的・身体的虐待の経験を報告しています。幼少期の性的虐待の経験をもつ女性は、成人女性のレイプ被害(約10%)の2倍以上であると報告されています。

女性は男性に比べて、親しい関係にある人からトラウマを受ける可能性が非常に高く、被害の6割以上が知っている人からのものです。

レイプ事件の61%が18歳になる前に発生していて、29%は11歳より前に起こり、通常は家族によるものです。(以上、米国での調査)

このような身体的・性的虐待を受けた子どもや、長期にわたる対人暴力にさらされた女性を対象とした研究では、PTSDの診断基準では捉えられないさまざまな精神的後遺症が一貫して報告されています。

幼少期に身体的・性的暴行を受けた経験は、青年期や成人期に多くの精神的問題を引き起こすという研究もあります。物質乱用、境界性パーソナリティ、摂食障害、解離性障害、性障害などです。

このように、長期にわたる複数のトラウマを経験した人たちの調査で、PTSDの診断基準よりもはるかに複雑な精神的問題の存在が分かったことから、DESNOS(Disorders of Extreme Stress Not Other Specified)という新しい診断概念が生まれました。

DESNOSの臨床プロファイルは、家庭内暴力にさらされた女性の臨床プロファイルと相関しているとされます。

DESNOSの症状分類は、ニューヨーク(Spitzer、Kaplan、Pelcovitz)とボストン(Herman, van der Kolk)の2つのグループが共同で行ないました。

彼らは、子ども、家庭内暴力の被害者である女性、強制収容所の生存者のトラウマに関する研究を調査し、DSM-ⅢRのPTSD診断基準では扱われていない27の症状についてリストを作成しました。

Judith Herman は、この27の症状を7つのカテゴリーに分類しました(1992)。
(a)感情や衝動
(b)注意や意識
(c)自己認識
(d)加害者の認識
(e)他者との関係の調節障害
(f)身体化
(g)意味体系

これら7つの分野における、生涯および現在の変化を測定する48項目の症状で構成されたインタビュー形式の問診票が作成され、それぞれの質問に「はい」か「いいえ」で答えるという二分法による採点でDESNOSの存在が評価されました。(PelzovitzとVan der Kolk)。

DESNOSを包括的に評価する尺度を「SIDES(Structured Interview of Disorders of Extreme Stress)」と呼んでいます。

DESNOSの症状
DESNOSの診断基準には以下が含まれます

感情と衝動の制御の変化
・場にそぐわない極端な感情的反応
・摂食障害や自傷行為といった自己破壊的な行動
・自殺願望
・性的衝動や極端な性的抑制
・怒りの表現や抑制の問題

注意と意識の乱れ
・解離性エピソードと離人症
・トラウマの経験による記憶喪失または記憶過敏

自己認識の乱れ
・否定的な自己認識
・無駄である、無力であるという感覚
・羞恥心、屈辱感、罪悪感、自責の念
・汚れている、辱められている、汚名を着せられている(スティグマの烙印を押された)

人間関係の乱れ
・不信の持続
・再び被害を受ける
・他人の犠牲になる

身体化
・持続する痛み
・消化器系、循環器系、心肺系の症状
・転換性の症状
・性的症状

意味体系の乱れ
・信念の喪失
・無力感と苦悩の感覚

DESNOSという診断をDSM-Ⅳに採用するかどうか、PTSDのDSM-Ⅳフィールドトライアル(実地調査)が、1990年から1992年にかけて行われました。

フィールドトライアルの目的は、従来のPTSDの診断基準の適正化と、慢性的な対人関係のトラウマを持つ被害者がPTSDの診断基準を満たす可能性があるのか、そして彼らの精神病理が、児童虐待、強制収容所の被害者、家庭内暴力の被害者などの研究でよく言及されている、PTSDの基準では把握できない別の症状(DESNOS:特定不能の極度のストレスによる障害)によって、より正確に把握できるのかを検討することでした。

フィールドトライアルでは、トラウマ、特に長期にわたるトラウマ、幼少期に初めて起きたトラウマ、対人関係のトラウマは、PTSDの症状を超えて、精神機能に大きな影響を与えるという考え方が支持されました。

また、トラウマは人生の最初の10年間に最も広範な影響を及ぼし、年齢が上がるにつれて、より純粋なPTSDに近い状態になることが示唆されました。

しかし、フィールドトライアル参加者のDESNOS症状は、最初にトラウマを受けた年齢だけでなく、その後に受けたトラウマの数にも影響されていると考えられました。

フィールドトライアルによる検討がなされたものの、DESNOSはDSM-Ⅳの診断基準に組み込まれることはありませんでした。

 

2021年7月9日 | カテゴリー : 不安障害 | 投稿者 : wpmaster