人はなぜ自傷するのか
アメリカ精神医学会の DSM-5 で新たに取り上げられた病態の一つに「非自殺的な自傷行為」があります。
正式な分類ではなく、「今後の研究のための病態」として示されました。
自殺を意図しない自傷。何故そのようなことを人はするのでしょうか。
それは苦しみに対処するためです、と研究者は言います。 (SIRRR)
不安、落ち込み、痛みなどを和らげ、心を麻痺させるためのメカニズムとして、人は自傷を行います。
自傷行為により、脳内エンドルフィンの放出(endorphin rush)が起こるためとされます。
かつて、自傷行為は境界性パーソナリティ障害(BPD)に特徴的であると言われました。
確かに、BPDの診断基準には「自傷行為の繰り返し」という項目があります。
しかし、自傷行為を繰り返す人の過半数はBPDの診断基準を満たしません。
自傷行為は、BPD以外にも解離性障害、摂食障害、抜毛症、うつ病、発達障害、その他多くの精神疾患で広く見られる症状なのです。
治療について
現在、自傷行為に対して米国FDAが承認した薬剤はありません。治療は心理療法が中心となります。
具体的には、以下のようなことです。
自傷行為は非難されるものではありません。しかし、苦しみに対処するのに自傷行為が唯一の選択肢では無いことを理解します。
ストレスを軽減するための、自傷行為の代わりとなる行動を覚えていきます。
友人に相談する、信頼する人にアドバイスをもらう、歌う、演奏する、日記を書く、絵を描くなどです。
感覚刺激が欲しい時には、冷たいシャワーを浴びる、熱いシャワーを浴びる。
自己寛容と不完全さの受容という考えを知る。つまり、不完全な自分を愛し、受け入れます。
参考記事