PMSとPMDDの治療

推奨レベルの順にPMSとPMDDの治療を列挙します。

A SSRIの使用
A 経口避妊薬(ピル)の使用(㊟1下記参照)

B カルシウムサプリメントの摂取(1日1000~1200mg)
B 認知行動療法

C 症状日誌の記録
 (㊟2下記に例示)


㊟1 LEPについて

性腺ホルモンの分泌異常がPMS症状発現の原因の一つと考えられますので、排卵の抑制も重要な治療オプションになります。
経口避妊薬(OC)・LEPのうち、ドロスピレノンを含有する製剤はPMDDに有効であることが種々の調査研究により示されています。
このような背景に基づき、米国FDAは2006年にドロスピレノン/EE 配合LEP(3mg/20μg)をPMDD治療薬として承認しました。(ヤーズです)
効果のメカニズムとしては、ドロスピレノンの抗ミネラルコルチコイド・抗アンドロゲン作用が浮腫・体重増加・乳房痛・攻撃性・過敏性を改善すると考えられています。

LEPの種類

◆ ヤーズ(周期投与)ヤーズフレックス(連続投与)
EE(エチニルエストラジオール)0.02mg / DRSP(ドロスピレノン)3mg
一相性・ Day1スタート

ジェミーナ(周期投与/連続投与)
EE(エチニルエストラジオール)0.02mg / LNG(レボノルゲストレル)0.09mg
一相性・ Day1スタート

ルナベルULD(周期投与)
EE(エチニルエストラジオール)0.02mg / NET(ノルエチステロン)1mg
一相性・ Day1スタート

現在上記3種類のLEPが本邦で発売され、月経困難症・子宮内膜症で保険適用されています。(残念ながら、本邦ではPMDDに対する保険適用はありません。)

上記3種類の内、PMDDに対する有効性が認められ、FDAが承認している治療薬はドロスピレノンを3mg含有するヤーズヤーズフレックス です。


㊟2  PMS/PMDD の症状日誌

各医療機関で様々なものが用いられていますが、参考に当院で使用中のものを例示致します。


(参考)PMSの診断で留意すべきこと

1.症状は月経周期の後半に出現します。
2.月経周期の前半には、症状のない日が少なくとも7日間あります。(周期の4~12日)
3.少なくとも3周期連続で症状が出現しています(症状日誌によって確認)
4.症状の程度が、仕事や生活、対人関係に影響を与えうるほどに強い。
5.30歳~39歳の女性に最も多く、青年前期には希です。
6.月経前不快気分障害(PMDD)は、より重篤な気分の障害で、DSM-5により厳密な診断基準が作られています。


(参考) アメリカ産科婦人科学会のPMS診断基準

連続した3回の月経周期において、以下に示す気分症状・身体症状の1つ以上が、月経開始前の5日間の内におこる

気分症状
 怒りの爆発
 不安
 混乱
 抑うつ
 易刺激性
 社会的ひきこもり

身体症状
 腹部膨満
 乳房痛、緊満
 頭痛
 関節痛・筋肉痛
 四肢のむくみ
 体重増加

これらの症状は、月経開始後4日以内に消退し、その後13日目までは再発しない。 また症状は、薬物治療・ホルモン摂取・薬物使用・アルコール使用がなくても生じる。
症状は、その後の2月経周期にも繰り返し起こることが、記録によって確認できる。
患者は、社会生活能力・勉学能力・職業能力においてはっきりとした機能低下を示す。

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