PMSとPMDD

日本語で月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)と訳されます。
英語ではPremenstrual Syndrome (PMS)とPremenstrual Dysphoric Disorder (PMDD)です。

これらの月経に関連する障害がなぜ起こるのか、正確な原因は 分かっていませんが、エストロゲン(女性ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)、ギャバ(GABA)、セロトニンが関係するのだろうと想像されています。

エストロゲンとプロゲステロンは月経周期に従って変動します。といいますか、これら2つのホルモンの変動が、月経周期を形成します。

PMSは、排卵に続いて起こり、月経開始で軽快します。

また、卵巣を摘出した女性や、卵巣機能を抑える薬を使用している女性では、PMSはめったに起こりません。

例えば点鼻薬のスプレキュア、ナサニール、持続注射薬のスプレキュアMP、リュープリン、ゾラデックスなどの偽閉経療法に用いる薬を使用している場合にはPMSはまず見られません。

また、無排卵周期の女性もまたPMS症状から守られています。

では、エストロゲン(女性ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2つのホルモンは、どのように中枢神経系に影響を及ぼすのでしょうか。

エストロゲン(女性ホルモン)は神経系を賦活し、プロゲステロン(黄体ホルモン)は逆に、神経系を抑制します。

月経に関連した諸症状の多くは、神経系に影響を及ぼすプロゲステロン(黄体ホルモン)の代謝によって引き起こされると考えられています。

ギャバに関して
プロゲステロン(黄体ホルモン)のうち、特にアロプレグナノロンはギャバ受容体を調節する能力を持つため、「衝動を抑えられない・憂うつだ・攻撃的になる・イライラする」という症状に深く関わります。

様々な月経周期におけるアロプレグナノロンの変動が、PMSの症状の重症度に影響します。

セロトニンに関して
黄体期にはセロトニン活性の低下が認められること、また、セロトニンを増やす治療がPMSの症状を緩和することから、セロトニンもまたPMSの症状に関与していると考えられています。

レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)について
エストロゲンとプロゲステロンはまた、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系と相互に影響しあいます。これが、体液と電解質の変化となって体に表れます。プロゲステロンの反鉱質コルチコイド特性やエストロゲンのRAAS賦活作用が、PMSに見られる腹部膨満や体重増加を説明すると考えられています。

PMSとPMDDの治療については、項を改めて記載します。

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